「単語は暗記できているのに、長文を訳せない。」
「長文問題はいつも時間が足りなくなる。」
このような悩みは、英文解釈の勉強をおこなう事により、100%解決する事ができる。
英文解釈についての説明は後述するが、長文読解の上達において、英文解釈の勉強は必須である。
ネオリック先進塾でも英語科目の三大分野として「単語」「文法」「英文解釈」を掲げている。
英文解釈の勉強をしていない受験生や、先生の指示のもと取り組んではいるがその目的や方法について理解できていない受験生はぜひこの記事を読んでほしい。
英文読解に苦手意識がある受験生も、記事を読み終わる頃にはその苦手意識が吹き飛んでいるだろう。
英文解釈について
英文解釈という言葉を聞き慣れていない受験生は多いかもしれない。
英文解釈とは簡単にいうと「英文の構造把握」である。
英文は単語を繋ぎあわせることで構成されているが、その構成パターンは決まっている。
それらのパターンを全て把握できていれば、あとは単語を暗記することで、全ての英文が読めるようになる。
つまり、大学受験英語で出てくる文構造のパターンを全て覚えておくことで、英語長文の日本語訳でつまずくことが無いようにしようというのが英文解釈の勉強の趣旨である。
例えば、I love you. という英文を見たときに「私はあなたを愛している」という訳がパッと頭に浮かんだはずだ。これはSVOの文構造パターンが頭に入っているからである。これがI hate you.であっても、hate(憎む)の意味がわかっていれば、「私はあなたを憎んでいる」と同じように訳せるはずだ。つまり、大学受験英語に出てくる文構造のパターンを全て把握していれば、あとは単語の暗記だけで全ての文章を「I love you.」と同じようにスラスラと訳せるようになる。
全てのパターンの英文を体に染み込ませよう。
(体に染み込ませるという表現が合っているかわからないが....)全てのパターンの英文構造を「I love you.」と同じ感覚で読めるようにしよう。
全てのパターンと言っても大学受験の英語試験で出てくる文構造は数十パターンしかないので安心してほしい。
2ヶ月もあれば誰でも暗記することができる分量だ。
以下には、その具体的な学習方法についてご紹介する。
使用する参考書 「英文読解の透視図(研究社)」
英文解釈の勉強では「英文読解の透視図(研究社)」という参考書をおすすめする。
これを一冊完璧にすることができれば、大学受験の長文読解の問題でつまずくことはまず無い。
この参考書には24の英語の文章が細かい解説と日本語訳付きで収録されており、その24個の文章に大学受験で出てくる文構造のパターンが全て含まれている。
したがって、これら24個の文章を全て(なぜそのような訳になるのかを理解した上で)日本語訳できるようになれば、後は単語が入れ替わっているだけなので、全ての英文を文字通りすらすら読めるようになるのだ。(もちろん、英単語を暗記できていることが前提だ。英単語の学習方法については「どんな大学でも合格できる英単語の勉強手順とオススメの単語帳」で紹介している。)
英文解釈の参考書には「英文読解の透視図(研究社)」の他にも「ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式(代々木ライブラリー )」や「英文解釈の技術シリーズ(ピアソン桐原)」がある。もちろん他の教材を使う場合であっても学習の趣旨は変わらない。その趣旨は文構造のパターンを体に染み込ませること(文章を見たときに自然と頭の中で文構造を解釈し、訳すことができる状態)にある。
最終的には「英文読解の透視図」を完璧にできれば良いのだが、人によっては、レベルが高すぎると感じることがある。もし、英文読解の透視図を読んでみて、解説の意味が理解できない場合には、先に「英文読解入門基本はここだ!―代々木ゼミ方式 改訂版」を一周することをお勧めする。これに取り組む際にも後述の勉強手順で取り組むと効率的だ。
「英文読解入門基本はここだ!―代々木ゼミ方式 改訂版」は基礎的な英文や英文解釈技術を収録しており、これを一周するだけで、「英文読解の透視図」をスムーズに進められるようになるはずだ。
なお、一周さらっと確認したのちには、「英文読解の透視図」に進もう。「英文読解入門基本はここだ!―代々木ゼミ方式 改訂版」の学習意図はあくまでも「英文読解の透視図」の学習をスムーズに進めるためにある。
英文解釈の勉強手順
上記の参考書はいずれも「問題(英文)」→「解説」→「日本語訳」という構成になっている。
①まず自力で和訳してみて、②日本語訳を確認し、③解説を読んで理解したのちに、④再度自力で和訳を試みる、という仕様だ。
しかし、このように進める必要はない。
なぜなら、この学習の趣旨は問題を解く(和訳をする)ことではなく、解説を理解し、英文解釈の技術を身につけることだからである。
確かに、英文を読み、ノートに自分の和訳を書き、日本語訳を見て答えあわせをし、最後に解説を読み、また解き直すという方法も悪くはない。
しかし、その勉強方法が有効なのは、最後まで同じように順調なペースで続けることができた場合、のみである。
このようなやり方では、
- 途中から「取り組むこと」が目的になり、解説をきちんと読まない
- 和訳をすることに疲れて、解説をテキトウに読む
- 時間がかかるため苦手意識を持ってしまい、復習をきちんとしない
という状態になり、英文構造のパターンを覚える、英文解釈技術を身につける、という肝心なことをできていない受験生が多いのではないだろうか。
それでは意味がない。
英文構造のパターンを覚えることが目的なのだから。
そこでオススメするのが以下の勉強法である。
1日のノルマを決める
「英文読解の透視図(研究社)」に掲載されている文章のうち1日のノルマを決める。(ノルマは1日1文章がオススメ。そうすれば24日で一周できる計算になる)
手順
① その日取り組む英文の日本語訳と解説を読む。(この時、実際に英文と日本語訳を照らし合わせたり、解説を読み、なぜその日本語訳になるのか、を理解すること)
② 英文を読む(この際、①日本語訳を頭の中で再生することと、②解説の通りに英文構造を把握すること、を必ず意識する←これが目的)
③ 手順①②を計3回繰り返す。
上記のセットは英文解釈を体に染み込ませる上でかなり効果的である。信じて24日間実践してみてほしい。
24日後には、驚くほどすらすらと英語長文を読めるようになっているはずだ。
復習のポイント
◯終わった範囲については必ず1日1回復習する。
◯復習は上記手順を繰り返す必要はなく、英文を読むだけで良い。(ただし、頭の中で日本語訳の再生と英文構造の把握ができなければ、解説と日本語訳を読み直す)
●日本語訳がすらすらと出てくるか
●解説を忘れていないか
以上2点のチェックが復習のポイントだ。
まとめ
- 英文の構成パターンは数十通りである事
- 構成パターンを覚えていれば、英文がすらすら読める事
- 長文読解の問題を解くためには英文解釈の学習が不可欠である事
をご理解いただけただろうか。
英文解釈の勉強をしていない(もしくは、実質的にはやってはいるが、英文解釈を意識して勉強していない)受験生は多いが、英文解釈の勉強をすることで、英文が驚くほど簡単に読めるようになる。
センター試験や難関大学の英語など、英文の分量が多く、時間との勝負になるような試験を確実に突破するためには英文解釈の学習が必須である。
受験英語で出てくる英文は、この記事で紹介した参考書に掲載されている英文の単語がすり替わっているだけと考えても間違いはない。
つまり、あとは単語さえ覚えていれば、全ての英文がスラスラと読めるということになる。
大事なのは文章と英文解釈の技術を体に染み込ませることである。
単語を覚えているのに、長文が読めない、時間が足りない、日本語訳が苦手という学生は一度、ご紹介した手順で学習してみてほしい。
すぐに効果が実感できるはずだ。