みなさん、古文は得意だろうか。
おそらく、多くの学生の解答は「いいえ」だろう。
かくいう私もそのうちの一人だった。
理由は簡単である。それは古文は「なんとなく自力で読めそうだから、勉強せずに読もうとしてしまう科目」だからである。
通常の科目であれば、「少ししか勉強していない」→「できない」→「勉強不足だな。」となる。
ところが、古文となると「少ししか勉強していない」→「できない」→「なんで?古文むず、めんどくさ」となる。
そう、古文を舐めている受験生は非常に多く、受験直前に「(実際古文にそこまで時間をかけてないのに)なんで古文なんかに時間かけなきゃなんねーんだよ、捨てるわ」とか言い出すのだ。
しかし。古文は学習すれば必ず点数が上がる科目である。
ただ、点数が上がるまで非常に辛い科目でもあるのだが。要領は簡単である。
是非とも、以下の通り取り組めば古文ができるようになると信じて、点数が上がる段階まで勉強して欲しい。
成績が上がり出すまで本当に伸びないが、一度上がり出せば面白い程上がる。基礎さえできれば後はクールダウン。それが古文である。(英語と理屈は同じ)
古文の学習は単語、文法、古文読解の3つの分野に分けて学習する。
単語、文法を覚えていなければ、解けないのだ。
古文=日本語という考えは捨てよう。
ただ、単語、文法を覚えていて、読解方法を学べば、古文は面白いほど点数が取れるので安心して欲しい。
試しに難関大学の古文の日本語訳を読んでみて欲しい。
小学生でも解ける程の難易度である。
つまり古文は読めれば解けるのだ。そして、英語ほど暗記量は多くない。
まずは「古文」という科目を理解すること
古文の学習を始める前に必ずしてほしいことがある。
それは、「古文」という科目について理解するということだ。
具体的には
- なぜ単語や文法を覚える必要があるのか(どう使うのか)
- 古文が書かれた時代の常識や背景
を理解してから学習に進んでほしい。
普通に生きていれば、古文の単語や文法を目にする機会は少なく、ましてやその時代の常識や背景知識に触れる機会などは無いはずである。
その状態でいきなり古文の学習を始めると、理解できないのは当然である。
おそらく、古文の学習で挫折する学生のほとんどの原因がこれではないだろうか。
この記事で紹介する勉強法は「初めに古文という科目を理解する」という工程を盛り込んだ学習手順だ。
古文の勉強法
使用する参考書
『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本(KADOKAWA/中経出版)』・・・以下 A
『マドンナ古文常識217(学研マーケティング)』・・・以下 B
『マドンナ古文単語230(学研マーケティング)』・・・以下 C
『古文教室 古典文法編 改訂版(超基礎固め)(旺文社)』・・・以下 D
『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル(河合出版)』・・・以下 E
古文の学習手順
① Aを通読する(雑誌を読む感覚で)
この段階で古文読解の本を通読するのは
- 古文の考え方を学ぶこと
- 古文単語と文法がなぜ必要なのか(覚えたところでどのようにその知識を使用するのか)を把握すること
を、目的としている。
読解方法や、知識を暗記しようとして読むのではなく、上記の目的を意識して、さらっと読もう。
② Bを通読する(雑誌を読む感覚で)
古文の問題はその時代の常識や背景知識がないと解けないことが多い。
また、最初にこれらを把握し、なんとなくでも古典の世界を理解しておけば、今後の学習が非常に楽になる。
③ 文法、単語を暗記する。
【単語】
Cを暗記する。
【文法】
(1) Dを通読する。(雑誌を読む感覚でさらっと読む)
(2) 一日の範囲を決めてDを精読し、Eで暗記する。
④ 単語と文法をある程度覚えることができたら、もう一度Aを2~3周通読する。
復習のポイント
●単語・文法(文法の復習はEを使う)は期間を決めて復習をしよう。
●Bについては時間があるときに何度か読み返そう。
復習の具体的な手順については、英単語や、英文法、社会科目(世界史 | 日本史)の復習手順などを参考にしてほしい。
まとめ
- 単語、文法、読解という3つの分野に分けること
- 古文常識や背景を理解すること
要点はこの二つだ。
特に、「古文常識や背景を理解すること」はかなり重要だ。
今まで「古文を勉強しているのに、伸びない」という経験して古文に苦手意識を持っている人は、ぜひ試してみてほしい。
もし、古文常識や背景知識を学んでいなかったのであれば、大きな効果が実感できるはずだ。
この方法で古文の学習に取り組むことができれば、私立大学であれば、早慶、マーチ、関関同立で合格点が取れる。
センターであれば9割は取れるようになっているはずである。
後は受験勉強の後半に過去問で問題演習を積み、出題形式とアウトプットに慣れれば、古文は大きな得点源となっていることだろう。