現代文の勉強は深追いしすぎないように、注意したい。
これから現代文の勉強法を知り、実際に勉強を始めようと思っている皆さんからすれば、頭に「?」が浮かんだかもしれない。
「そんな話は良いから、早く勉強法が知りたい」という方は読み飛ばしていただいて構わない。
学習の優先順位 英語>社会>古典>現代文
誤解を招く恐れがあるので、念のため申し上げておくと、これは、「国語はしなくても良い・重要ではない・勉強しても意味がない」などと言った話ではない。「英語や社会ができなければ、国語(特に現代文)ができても落ちる可能性が高いのに対し、国語ができなくても英語や社会さえできれば、受かる可能性が高い=つまり、優先順位でいえば「英語>社会>国語」という話である。
現代文はしっかりと学習すれば、必ず点数が取れる。これは間違いない。
では、なぜ優先順位が低いのか。それは以下の理由からだ。
大学受験勉強において、現代文の優先順位が低い理由
現代文の配点が低い大学が多い
現代文(というより国語)の配点が低いというより、英語の配点が高い大学が多い。
限られた時間で最大の効果(総合点における高得点)を得るために、優先順位をつけるならば、英語>他の科目となる。
英語や社会科目と比べると、学力向上の幅が低い
英語や社会科目は、暗記科目だ。つまり、0から100に持っていくことができる科目(勉強しなければ0点、勉強すれば満点が取れる)。
しかし、現代文に関しては、勉強していなくてもある程度の点数は取れる上、学力向上の要素が暗記以外に依るところ(決して才能に依ると言っているわけではない)が多く、努力が100%反映されるとは言い難い。
他の受験生と差がつきにくい
配点が小さいためにそもそもの点差がつきにくく、勉強していない受験生でも6割程度は取れてしまうことが多い。
以上の理由から、国語科目(特に現代文)は深追いせずに、必要最低限の学習をすることをおすすめする。
英語・社会科目(世界史・日本史)の学習が十分にできるようになれば、しっかりと現代文の学習をし、更なる学力向上を狙う。
それまでは、最低限の(少ない努力で、確実に点につながる)勉強で抑え、その分の時間を英語・社会科目に割く。
具体的には、暗記できるところのみ取り組み、それ以外のところに関してはスルーするという考え方だ。
以下では、必要最低限の現代文の勉強法を紹介する。
努力が反映される現代文の勉強法
客観的に文章を読むことができるか、が問われる
受験現代文で問われているのは「自分の意見や感想を介在させずに、客観的に文章を読むことができるか」ということである。
つまり、客観的に文章を読む方法を学べば現代文の問題が解けるということだ。
現代文は「読解問題」と「知識問題」の二つに分けることができる。
知識問題とは、漢字や、キーワードのことだ。
キーワードとは、評論文特有の語句の意味やニュアンスを学ぶ勉強のことで、軽視されがちだが、これを学ぶだけで、現代文がかなり読みやすくなる。
さらに、実はキーワードさえ分かっていれば解けるような問題も多く出題される。
読解問題の勉強手順
ロジック(解法)を身体に染み込ませることが読解問題の基本的な学習方法だ。
ロジックとは、客観的に文章を読むためのルールと、考えて相違ない。
ロジック(ルール)に従って文章を読み、解答することで、客観的に文章を読めているということになる。
使用する参考書
自分の肌にあう参考書であればなんでも良い。(ただし、解法がしっかりと書かれている参考書を選ぶこと)
できるだけ優しく書かれていて読みやすく(基本や入門と書かれているものが好ましい)、使用者が多い参考書を選ぶこと。
『入試現代文へのアクセス 基本編』や『田村のやさしく語る現代文』などがおすすめだ。
ロジック学習手順
- 問題文をさらっと読む。(雑誌や新聞を読む感覚で)
- 解説を読み、テーマとなっている解法(ロジック)を覚える。
- 解法を意識しながら問題文を読む(なぜその答えになるのかを、解法を意識して理解する)
- 解法をノートにメモする。(自分の言葉で良い。後から読み返してわかるように)
考え方は英文解釈の学習と似ている。英文解釈の勉強法については「大学受験の英語長文がすらすら読める英文解釈の勉強法」で詳しく解説している。ぜひ、参考にしてほしい。
復習のポイント
●ノートを見返して解法を読み返すこと。
●その際に「?」が浮かぶようであれば、もう一度手順1〜4を実践しよう。
基本のロジックを理解した後は選択肢の消し方に着目しよう。現代文の問題を解く際の基本は「消去法」だからだ。客観的に解くのだから消去法になるのは当然である。解法を解説している参考書であれば選択肢の選び方についての記載があるはずだ。
知識問題学習手順
知識問題は漢字と、キーワードの二つだ。
知識問題は暗記すれば必ず点数になるので、手を抜かずに暗記しよう。
と言いたいところだが、漢字に関しては注意がある。残り学習期間が一年未満の場合は、英語や社会科目の勉強を優先し、それらが十分にできている場合に取り組もう。問題集をみればわかると思うが、暗記する量に対して本番で取れる点数が低い。
なお、一年以上学習期間があれば、十分取り組む時間は確保できるので、今あなたに受験までの時間が1年程あるのであれば、捨てずに取り組むように。
自分での判断が難しい場合には、ぜひとも相談して頂きたい。
漢字は文字通りだが、キーワードについて説明しておく。
評論文特有のキーワードをまとめている参考書があるので、それを何度も読み返し、暗記しよう。
具体的な進め方に関しては、「英単語の覚え方」や「一問一答問題集の効率的な使い方」を参考にしてほしい。
カードか何かで、キーワードを隠し、要点を頭の中で再生するというやり方だ。
入試ではキーワードを覚えているだけで解ける問題も少なくはなく、余裕がなくても一読はすること。
一読するだけでも、かなりの効果が感じられるはずだ。
使用する参考書は、大学受験用のものであれば何でも良い。自分の好みに合う参考書を選ぼう。
オススメの参考書
『読解を深める現代文単語〈評論・小説〉(桐原書店)』
これ一冊で漢字もキーワードも学習できるのでおすすめである。解説も非常に丁寧で読みやすく、大学生になってからも役に立つであろう良書である。
まとめ
- 現代文は深追いしすぎない
- 英語や社会(世界史・日本史)の学習が不十分なのであれば、そちら優先する
- 読解問題はロジックを学ぶことに重点を置く。
- 知識問題はキーワードを一冊やっておく
これらが他科目の邪魔をせず、必要最低限の努力で、現代文の学力を上げる効率的な勉強法の要点だ。