ここでは、関係代名詞thatについて講義しますが、先に「関係詞の基本解説と学習の進め方。たった2つの視点で関係詞は満点。」を必ず読んでください。各関係詞の何を学べば良いのか、を具体的に説明しています。
関係代名詞のthatについて
thatには様々な用法がありますが、関係代名詞としてもthatを使うことができます。
関係代名詞のthatの用法や注意点をwhoやwhich、whatなどの関係代名詞との違いに着目して押さえるようにしてください。
関係代名詞that
先行詞:あり
後ろの文:不完全文
thatは万能?
関係代名詞のthatは人も人以外も修飾することができます。
つまり、whoやwhichと同じ使い方をすることができるということです。
ex)The man that(=who) is standing there is my father.
しかし、thatは万能ではなく、thatが使えない場合が存在します。
関係代名詞のthatは使える範囲が広いので、どのような場合に使えるかよりもどの場面ではthatが使えないのか、どの場面ではthatしか使えないのかということを押さえるようにしましょう。
関係代名詞のthatが使えない場合
関係代名詞 thatが使えない場合
所有格
前置詞の後ろ
「, 」の後ろ(非制限用法)
「所有格」について。
whoやwhichと同じような使い方をすることができると説明しましたが、thatは所有格の使い方をすることができません。
例えば
I know the woman whose father is a bank clerk.
この場合はthatを使うことができないということです。
これについては下の表を見ると理解が進むと思います。
関係代名詞のthat | 主格 | 目的格 | 所有格 |
人 | ○ | ○ | × |
人以外 | ○ | ○ | × |
「前置詞の後ろ」について。
例えば 「That is the house which he lived in. 」は「That is the house in which he lived. 」というように前置詞を関係代名詞の前に持ってくることができましたが、thatの場合はそれができないということです。
つまり「in which」という表現はあっても、「in that」という表現は無いということです(関係代名詞thatの話であることに注意)
「 , の後ろ」について。
thatは非制限用法の使い方をすることができません。非制限用法については第54講で解説しています。
テーマ94:thatが使えない場合ー前置詞の後ろ
①which ②that ③whose ④who
先行詞を見ると「the town」とあり、人以外なので④は消えます。
そして所有格ではないので、③は消えます。
ここで、①と②が残るわけですが、関係代名詞thatは「前置詞+関係代名詞」の形をとることができません。
空欄の直前に前置詞「in」があるので、②は消えて、①が答えになります。
thatが使えない場合はよく出題されるので、必ず3つ押さえるようにしてください。
関係代名詞thatのみ使える場合
関係代名詞 thatしか使えない場合
関係代名詞節内での役割がC(先行詞が節内でC)
先行詞が疑問詞(疑問詞を修飾する)
先行詞が「人+人以外」
関係代名詞のthatしか使えない場合の例
関係代名詞節内での役割がC(先行詞が節内でC)
Takashi is not the man that he was.(たかしは昔のたかしとは違う)
↑関係代名詞節内は「he(S) was(V) (the man(C))」。このように、関係代名詞、先行詞の関係代名詞節内での役割がCのときにはthatを使います。例の場合はwhomを用いないように注意が必要です。
先行詞が疑問詞(疑問詞を修飾する)
Who 【that knows his efforts】 can say he is lazy?(彼の努力を知っている誰が、彼は怠け者だと言えるだろうか)
↑that節「knows his efforts」の先行詞はwho。このように先行詞が疑問詞の場合には、thatしか使うことができません。
Who who knows his efforts can say he is lazy? (×)
先行詞が「人+人以外」
I saw a boy and dog that were running in the park.(私は公園で走っている少年と犬を見ました。)
↑先行詞が「a boy and dog」で「人+人以外」。この場合は、whoもwhichも使えないので、thatを使います。
テーマ95:thatしか使えない場合ー先行詞が「人+人以外」
①that ②who ③which
先行詞が「人+人以外」の場合はthatを使うので答えは①です。
「thatしか使えない場合」(全部で3つ)もしっかりと押さえておきましょう。