助動詞の過去形について
couldは確かにcanの過去形ではありますが、過去を表す表現というわけではありません。
時制の単元でも説明しましたが、過去形は過去のことを表す形ではなく、本来は「遠いこと」を表す形です。
過去形では敬語に近い丁寧な表現や控えめな表現をすることができる(目上の人→感情的に遠い→過去形)、そして過去のことを表現する際に過去形を使うのは「過去=時間的に遠いこと」だからというお話でしたね。
>>まだ読んでいない人は『過去形=「遠い形」押さえておくべき過去形のイメージと出題ポイント』をぜひ読んでみてください。
助動詞の過去形についても考え方は同じです。
couldは過去のことを表すために使われる機会は少なく、canに比べて丁寧な表現や控えめな表現をするために用いられることがほとんどです。
容易にcouldを「できた」と訳さないようにしてください。
would、mightについても同様です。
では助動詞の過去形を過去の表現として使う(couldを「できた」と訳す)ことはないのか、ということですが、もちろんそんなことはありません。
しかし、過去のことだからcouldを使うという機会は極めて少ないです。
もともとは現在形だったものが、時制の一致を受けて過去形になっている(結果的に過去のことを表している)という場合がほとんどです。←もちろんこれは頻繁に行われますよ。
ここで押さえておいてほしいポイントは、助動詞は「過去形だからといって容易に過去の訳をつけない」ということです。
助動詞で過去を表現するには 「助V+have+Vpp」で
「助V+have+Vpp」の形で過去のことを表現することができます。
下に「助V+have+Vpp」についてまとめています。
それぞれ各助動詞のページで解説しているので、それらを読み終えた後に知識の整理として下のまとめを読み返してみてください。
「助V+have+Vpp」のまとめ
「must have Vpp」(〜したに違いない)
「can not have Vpp」(〜したはずがない)
「may have Vpp」(〜したかもしれない)
「should have Vpp」「ought have Vpp」(①〜すべきだったのに)(②当然〜したはずだ)
「should not have Vpp」「ought not have Vpp」(〜すべきではなかったのに)
「need not have Vpp」(〜する必要はなかったのに)