使役動詞make,have,letは、補語に「to不定詞」を使えず、原型不定詞を使います。大学入試では頻繁に狙われるポイントです。この記事では、「なぜ、to不定詞を使わず、原型Vを使うのか」を説明しています。
使役動詞make,have,letは、補語に「to不定詞」をとれない
make,have,letを使役動詞として用いる時、補語に「to不定詞」をとることができません。
どういうことかというと、
例えば、「母に料理を作らせた」みたいな文を作るときに、
I made(V) my mother(O) to cook(C)
とは、できず、
I made(V) my mother(O) cook(C)
このように、補語に原型を持ってくる必要があるんです。
原型不定詞と呼びます。(原型不定詞、という名前は覚える必要がありません)
で、これが入試ではものすごく狙われます。
どのような形で狙われるかについては、「第4講 使役動詞の重要点」の「テ−マ6:使役動詞の補語の形」の予習問題を参照してください。
どうして、「to 不定詞」を使わないの?
初めて使役動詞の「S+使役V+O+原型」の形を見たとき、「S+V+O+to不定詞」を習ったばかりの皆さんは、「なんでtoを使わないのか」ということが疑問になるでしょう。
しかし、あることを知れば、その問題は解決できます。
そのあることとは、実は使役動詞の補語ももともとはto不定詞の形だった、ということです。
つまり、もともとは「I made my mother to cook」だったのです。
しかし、あまりにも頻繁に使われる表現のために、だんだんと「to」が省略されるようになり、今では「原型V」が正しい表現になったと言われています。(言語あるあるですね。)
これを知れば、基本の形が「原型V」であることにも、うなづけますね。「to」の後ろには原型Vを置きますものね。
ちなみに、「get」にも使役の用法があり、使役動詞make,have,letと共によく入試で狙われますが、「get」は「S+V+O+to不定詞」の形をとります。
補語に「原型V」の形はとれません。
この理由はもう分かりますね。
「get」は「make,have,let」に比べて、あまり使われなかったから、「to 不定詞」のままなんです。
原型不定詞については、諸説ありますが、大学入試において「なぜto不定詞を使わないのか」ということは重要ではありません。この記事で説明した「原型不定詞の成り立ち」が正しいわけではありませんが、特別なこだわりがない限り、この説で押さえておきましょう。「make,have,letはto不定詞を補語としてとれず、原型を使う」ということが分かっていればそれで良いのです。