このページでは、can[could]のイメージと意味・用法について、大学受験対策という観点で説明しています。
後半にはcan[could]に関する頻出知識について解説しています。
なお、助動詞の基本や勉強の進め方についての記事を読んでから、このページを読むと、より理解が深まります。
まだ読んでいない方は以下の記事を先に読んで見てください。
»『助動詞とは話者の意思を表すもの。助動詞の覚え方と勉強方法』(助動詞の基本や勉強の進め方について)
canのイメージ
canのイメージ
潜在的な可能性
テーマ39:canの重要用法(潜在的能力・可能性)
Ⅰ 潜在的能力「〜できる」
I can speak English.(私は英語を話すことができる。)
ポイント
能力的に「できる」ということを示唆していることを意識してください。
実際にその行為を行うか(行えるか)どうかは別です。
あくまでも潜在的な可能性から派生した「できる」です。
実際に行為を行えるという意味での「できる」=「be able to」との違いに注意。
≒ be able to V「〜できる」
否定文「〜できない」
I can’t speak English.(私は英語を話すことができない)
疑問文「〜できますか?」
Can you speak English?(あなたは英語を話すことができますか?)
Ⅱ 可能性「〜であり得る、〜することがある、〜かもしれない」
She can be very rude. (彼女はとても無礼なことがある。)
The store can be closed tomorrow.(その店は明日は閉まってるかもしれない。)
ポイント
訳の幅が広くややこしいかもしれませんが、「可能性」を表す表現だと覚えておいてください。
「彼女は無礼に振る舞う可能性がある」→「無礼に振る舞うことがある。」「その店は明日閉まってる可能性がある」→「閉まっているかもしれない」といった具合です。
日本語訳する際には、「かもしれない」で訳すと自然な訳になることが多いです
が、あくまでも、「可能性がある」ということが前提としてあることに注意してください。
否定文「〜のはずがない」
That can’t be true.(それが本当のはずがない)
過去⇒can’t have Vpp「〜したはずがない」⇔ must have done「〜したに違いない」
»「助V + have + Vp.p.」のまとめはコチラ疑問文「いったい〜であろうか」
How can you such a thing to me?(いったいどうして君がそんなことを私に言えるんだろうか。)
上記の例で言えば、「君がそんなことを私に言うなんてあり得る??」という具合。
言葉を崩せば「は?」や「マジで言ってんの?」という感覚に近いです。
canのその他の用法
入試ではほとんど出題されません。「こんな用法もあるんだな」という程度で押さえておきましょう。
Ⅲ 許可
You can use my pen.(あなたは私のペンを使っても良い。)
Ⅳ 命令
You can leave now.(もう行きなさい。)
Ⅴ 依頼
Can you open the windows?(窓を開けてくれますか?)
can[could]の入試頻出知識
テーマ40:【潜在的能力】canと「be able to」の違い
①could meet ②was able to meet.
canは潜在的な能力を表すに過ぎません。
canの「できる」=「その行為を行う能力がある」という意味です。
したがって、実際にその行為を行うことができたという事実は表すことができません。
対して、「be able to」は単純にその行為を行えるという意味での「できる」なので、過去の「実際にできた」行為であっても表現することができます。
問題文の場合は「実際に叔母に会えた」ということを示してますので、「was able to」を使います。
canとbe able to
can=能力的な「できる」
be able to=実際に「できる」
couldを「できた」と訳すことは少ない
canとbe able toの違いについては既に説明しました。
canは(実際にその行為を行うかどうかは別として)その行為を行う能力があるという意味での「できる」。
be able toは単純に「できる」でしたね。
ここで、「できた」という表現について考えてみてください。
「できた」という言葉を使う際は、「実際にその行為を行うことができた」という意味での使用が多くなるはずです。(日本語で良いので「できた」で例文を作ってみてください)
そう考えると、過去の表現に関しては必然的に「was able to」を使うことの方が多くなり、couldを「できた」という意味で訳す機会は少なくなるということになります。
couldを「できた」と訳すのは、①canが時制の一致を受けてcouldになっている場合か、②過去の否定文か、③過去における一時的な能力に限られます。
②と③については、日本語で良いので例文を作ってみてください。
能力的な意味での「できた」を使ってもおかしくない例文ができるはずです。
テーマ41:【可能性】過去の否定 can’t have done「~したはずがない」
①had done ②be done ③have done ④done
canの用法【可能性】は否定文では「〜するはずがない」という意味になりますが、過去のことを表す際には「can’t have Vpp」の形をとることを押さえておきましょう。
テーマ42:can【could】の頻出・重要表現
cannot V too~「どんなに~してもVしすぎることはない」
You can not study too hard to pass college entrance examination.(大学受験に合格するためにはどんなに勉強してもしすぎることはない。)
考え方
「〜すぎるほどVするのは不可能」→「どんなに〜してもVしすぎることはない」
関連表現
=「cannot V enough」(どんなに〜してもVしすぎることはない)
We cannot earn money enough.(どんなにお金を稼いでも稼ぎすぎることはない。)
中にはそんな事ないよという人がいるかもしれませんが、どれだけお金があっても困る事はないですよね。
「お金稼ぎすぎて困った。もう十分だ。いらないよ。」という状態になる事はない。(=不可能)→「どんなにお金を稼いでも稼ぎすぎることはない。」
=「There cannot be too much〜」「どんなに〜があってもありすぎることはない。」
There cannot be too much freedom.(どんなに自由があってもありすぎることはない。)
cannot but V「Vせざるを得ない」
=「cannot help Ving」
=「cannot help but V」
I could not but laugh at his joke.(彼のジョークで笑わずにはいられなかった)
考え方
まず「cannot but V」について。
この場合のbutには「〜以外の」という意味があります。
したがって「V以外のことはできない」→「Vせざるを得ない」です。
次に「cannot help Ving」について。
実は「help」には「避ける」という意味があり、「Vすることを避けられない」→「Vせざるを得ない」となります。
そして「cannot help but V」はこれら二つの言い回しが混合されたものと言われています。
上述の説明通りに解釈すると「Vせざるを得ない」とはならないのですが、言語とはそういうものだと割り切り、覚えてください。
ちなみに、helpやbutについての知識は覚える必要がありません。
「Vせざるを得ない」を暗記するための助けにできれば良いです。
また「cannot but V」という表現は昨今では滅多に使われることがないらしい(cannot help Vingがメジャー)ですが、入試では頻繁に出題されますので、必ず押さえておくこと。