分詞構文とは
ex1)(Seeing the sunset), I was moved.(夕焼けを見たとき、私は感動した)
ex2)(Seen from a distance),Yumiko is pretty.(遠くから見ると、ユミコは可愛い)
例文のように副詞の働きをする分詞を分詞構文と呼びます。
分詞構文について
分詞の形に注目してください。(ex1)ではSeeing、(ex2)ではSeen。
この違いが分かるでしょうか。
これが分かるようになれば、分詞構文はクリアなのです。
非常に簡単で、分詞構文で点を落としてしまうことはもったいないのですが、受験生の悩みの種になりやすい単元でもあります。
しかし、分詞構文の成り立ちを理解すれば、おそらく分詞構文でつまづくことは無くなるでしょう。
ここでは分詞構文の成り立ちをポイントに分けて説明します。
成り立ちを理解し、問題集などの分詞構文の問題を確認してみてください。きっと分詞構文の問題がサービス問題に見えてくるはずです。
分詞構文の成り立ちを知れば、分詞構文が簡単に理解できる。
分詞構文はそもそも長い文の不要な部分を省略して、簡略化したものです。
例えば、前述の例文
Seeing the sunset, I was moved.
は、
When I saw the sunset, I was moved.
という文章を簡略化したものなのです。
この、省略の過程、および分詞構文の成り立ちを知っておくと、分詞構文関連の問題は簡単に理解できるようになります。
テーマ79:分詞構文の成り立ち
【元の文】When I saw the sunset, I was moved.(夕焼けを見たとき、私は感動した)
① 従属節の主語(I)と主節の主語が同じで、時制も同じなので、従属節の主語を省略する。
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When _ saw the sunset, I was moved.
② 文意で大体分かるので接続詞Whenを省略する。(接続詞を残すこともある)
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_ _ saw the sunset, I was moved.
③ 従属節の動詞(saw)を「ing形」にする。
⇩
【分詞構文】Seeing the sunset, I was moved.
「分詞構文の成り立ち」からわかること
①分詞構文の意味上の主語と、主節の主語は同じ。→主語が違う場合は「独立分詞構文」(テーマ82)
①時制も同じ →時制が異なる場合は「完了分詞構文」(テーマ83)
②元々は接続詞があったので、「〜時」や「〜して」や「〜だが」など訳が豊富。→意味はテーマ84で確認
③基本の形は「Ing形」→受動態の分詞構文については、テーマ80を確認
テーマ80:受動態の分詞構文の成り立ち
冒頭の例文、Seen from a distance,Yumiko is pretty. を例に受動態の分詞構文の成り立ちを説明します。
【元の文】If Yumiko is seen from a distance, Yumiko is pretty.
通常の分詞構文と同様の過程で、不要な部分を省略し、動詞を「ing」にする。
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Being seen from a distance, Yumiko is pretty.
ここで分詞構文は完成だが、Being(またはhaving been)が省略されることが多い。→だから出題されやすい。
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【受動態の分詞構文】Seen from a distance, Yumiko is pretty.
「受動態の分詞構文の成り立ち」からわかること
Beingやhaving beenが省略されたこと。
分詞構文で「Vpp」か「Ing」か問われた際も、意味上の主語と分詞との関係で判断すれば良いということ。(主語は同じなので、主節の主語目線で考えれば良い)
テーマ81:分詞構文
①See ②Seeing ③Seen
seeの主語は「the lake」。
「the lake」は見られている側なので、③「Seen」が正解です。
ちなみに、Seeは他動詞なので、空欄の後ろに目的語がない本問では①と②は問答無用で×です。
意味上の働き | V | M | S | |
Seen | from the sky, | this lake | is beautiful. |
テーマ82:独立分詞構文(=主語が主節の主語と異なる場合)
①beginning ②began ③begin ④was began
本問のように分詞の主語が主節の主語(we)と異なる場合には、分詞の前に主語を明記することで、分詞の主語を明確にします。
このような分詞構文を独立分詞構文と呼びますが、「主語の明記」を除けば、ポイントは通常の分詞構文と同じです。
「降り出した」のは「the rain(雨)」なので、答えは①です。
意味上の働き | S | V | ||
The rain | beginning | to fall, | we bought—–. |
テーマ83:完了分詞構文(=分詞の時制が、主節の主語の時制より以前の場合)
①Eaten ②Ate ③Being eaten ④Having eaten
本問のように、分詞の時制が、主節の時制よりも、以前の場合には「having +過去分詞」を使います。
これを完了分詞構文と言いますが、他の注意点に関しては通常の分詞構文と同じです。
ちなみに本問の場合は元の文が「Although I ate a lot, I am still hungry.」で、主節の動詞(am)の時制と、従属節の動詞(ate)の時制がずれているので、「having eaten」になります。
意味上の働き | V | S | |
Having eaten a lot, | I | am still hungry. |
テーマ84:分詞構文の意味
全て覚えられるのが理想ですが、英文読解で出てきて困ったら「〜して」「〜て」と訳そう。
ほとんどの英文はそれで良い感じの訳になるので。
文法問題的には分詞構文の成り立ちを理解していることが重要です。
Ⅰ 時「〜するとき」=when、while、afterなど
Visiting Wakayama, I met an old friend of mine.(和歌山を訪れたとき、旧友と会った)
Ⅱ 原因・理由「〜なので」=because、as
Feeling tired from the long walk, he took a rest.(長く歩いて疲れたので、彼は休息をとった。)
Ⅲ 譲歩「〜だが」=although
Having no money , I am happy.(お金がないけども、私は幸せだ。)
Ⅳ 条件「〜すれば」=if
Hearing him talk, you may take him for a Japanese.(彼が話しているのを聞けば、彼を日本人だと思うでしょう。)
Ⅴ 付帯状況「〜しながら」=as
I walked, looking at the stars.(星を見ながら、私は歩いた。)
Ⅵ 連続「…して、そして〜」=and
Entering the room, she switched on the light.(部屋に入ると、彼は明かりをつけた。)
分詞構文の訳し方
困ったら「〜して」「〜て」と訳す