このページでは、may[might]のイメージと意味・用法について、大学受験対策という観点で説明しています。
後半にはmay[might]に関する頻出知識について解説しています。
なお、助動詞の基本や勉強の進め方についての記事を読んでから、このページを読むと、より理解が深まります。
まだ読んでいない方は以下の記事を先に読んで見てください。
»『助動詞とは話者の意思を表すもの。助動詞の覚え方と勉強方法』(助動詞の基本や勉強の進め方について)
mayのイメージ
mayのイメージ
許容
テーマ45:mayの重要用法
Ⅰ 推量「〜かもしれない、〜だろう」
She may not come to the party.(彼女はパーティに来ないかもしれない)
ポイント
mayのイメージが「許容」である事を踏まえて、推量用法の考え方が腑に落ちればOKです。後述のmay have Vppが重要で、出題されやすいです。
過去⇒may(might) have Vpp「~したかもしれない」
I may have lost my way.(私は道に迷ったかもしれない。)
過去を表す際には「may have Vpp」の形をとります。mightはmayの過去形ですが、過去を表すわけではない事を押さえておきましょう。
mayのその他の用法
Ⅱ 許可「〜してもよい」
You may use this computer.(このコンピュータを使っていいよ。)
May I ask you a question?(質問してもよろしいでしょうか?)
Ⅲ 譲歩の文中で「たとえ〜でも」という意味で使用されることがある。
I will move forward com what may.(何が何でも前進する)
Ⅳ 目的の文中で「〜するように」という意味で使用されることがある。
You study English so that you may pass the exam.(試験で合格するように、英語を勉強するのです。)
【考え方】「〜することが許されるように」→「〜するように」
Ⅴ祈願「〜でありますように」
May you pass the exam of university!(あなたが大学受験に合格できますように)
※この形でしか出てこないので、祈願に関しては、用法というより、頻出表現として捉えたほうが覚えやすいため、あえてその他の用法とした。後に個別テーマとして取り上げる。
mightについて
mightはmayの過去形ではありますが、過去を表す表現ではないです。
could同様、mightが過去形だからといって、「〜したかもしれない」「〜だったかもしれない」というような過去の訳をしないように注意してください。
ではどのような場合にmightが使われるのかという考えについては「和訳問題で注意!!助動詞の過去形は「カコ」を表す表現ではない」をご参照ください。
「時制の一致でmayがmightの形になっている(実際はmay)」か、「丁寧な表現」「押しの弱い表現」としてmightを使用している時に限られます。
過去の表現はmay同様、might have Vppが使われます。
ちなみに、mightがmayの過去形ではあるが過去の表現ではないという説明の際に、mayとmightは全くの別物という説明がなされることがよくあると思います。
確かに正しいのですが、入試においては、「may=might」と考えても問題ないです。
むしろその方がしっくりくるかもしれません。
「mightだからといって過去の訳をしない」という点と、上述の時制の一致のような「mayではなくmightが使用される場合」について押さえていれば大丈夫です。
テーマ46:祈願
May you pass the exam of university!
Mayには祈願の用法があり、「〜するように」と訳します。
文頭に「May」が来て、文末に「ビックリマーク(!)」が来た場合には、この用法を疑ってください。
この形でしかでてこないので、Mayにこのような用法があるという事実を把握していて、目印を押さえていれば問題ないです。
知っていれば解答できる、知らなければ解答できないという類の問題です。
ちなみに、mayの考え方ですが、例文で言えば、「大学受験に合格することが許されますように」→「大学受験に合格できますように」といった具合です。
なお、目印さえ覚えていれば、理屈は忘れても大丈夫です。
テーマ47:may【might】の頻出・重要表現
may well V「~するのも当然だ」or「~するだろう」
He may well be angry.(彼が怒るのも当然だ。)
It may well rain tonight.(今晩、雨が降るだろう)
考え方
まず、wellについて。
wellは副詞でI can play tennis well.のように動詞を修飾し「上手に」と訳しますね。
実はwellの根本的な意味は「ある基準に対して十分」ということです。
例文で言えば、「テニスをするレベル」が「自分にとっての基準」に対して「十分」だから「上手」と訳すわけです。
次に、mayの用法について。
「may well V」においては、推量の用法が使われています。「~かもしれない」ですね。
それらを踏まえて「may well V」を考えます。
「may V」だと「Vかもしれない」ですよね。「(推量のレベルが)(自分にとっての基準に対して)(不十分だから)かもしれない」
→(そこにwell「十分」が加わると…)
→「(推量のレベルが自分にとっての基準に対して)(十分なので)~するのも当然or~するだろう」となるわけです。
例えばHe may be angry.((判断材料が少ないため怒られるか怒られないかは分からないが、怒られる可能性はあるので)彼は怒るかもしれない)にwellを足すと、He may well be angry.((怒られるか怒られないかの判断材料は十分だから)彼が怒るのも当然だ。)となりますね。
なお、「~するのも当然だ」で訳すのか「~するだろう」で訳すのかは文意に頼ることになります。
ただ、入試においては、「may well V」の形と訳を知っていることが重要で、( )wellとなっており、選択肢の中からwellを選ばせたり、整序問題として出題させたりといったような「may well V」の形を問う出題が多いです。覚えておきましょう。
may(might) as well … as 〜「〜するくらいなら…する方がよい」
You may as well read a book as watch TV.(テレビを観るくらいなら、本を読む方がよい)
考え方
まず、「A as 〜 as B」について。
これについては【比較】の単元でかなり詳しく説明しますので、ここでは軽く要点だけ掻い摘んで説明します。
「as〜as」の表現は「同じくらい」と訳されますが、なぜ「同じ」と言い切らず「くらい」を付けるのか。
理由は明白で、「同じではないから」です。
実はこの表現の本質は「≧」なのです。
「A as 〜 as B」であれば、「〜という基準でA≧B」(つまり、「〜という点でAはBと同じかそれ以上」→「AはBと同じくらい」)です。
Bill is as tall as Tom is.だとすれば「tallという点でBill ≧ Tom」となり、Tomよりbillの方が若干背が高いことになります。
これが「as ~ as」の根本的な考え方です。
may及びwellについては「may well V」で解説した通りです。
では、これらの視点を持って、You may as well read a book as watch TV.を考えてみましょう。
「wellという点において、[read a book] ≧ [watch TV]」
→「十分という点で、[本を読むこと]は[テレビを観ること]と同じかそれ以上」
→「テレビを観るくらいなら、本を読んだ方がまし」といった具合です。
すっきりと理解できたのではないでしょうか。
説明が分かりにくく感じた場合は【比較】を学んだ後にもう一度読み返してみてください。
なお、参考書や解説書によって「may(might) as well … as 〜」は(〜するくらいなら…する方がまし)と訳される場合と(〜するくらいなら…する方がよい)と訳される場合があり、そこをややこしく感じてしまう学生がたまにいますが、どちらでも結構です。
なんなら「〜するのは…するのと同じだ」と訳しても問題ないです。
大事なのは「≧」の部分で、その観点から強いて言うなら「まし」という表現が妥当でしょうか。
may(might) as well V「〜する方が良いだろう」
You may as well read a book.(本を読んだ方が良いだろう)
考え方
「may(might) as well … as 〜」(〜するくらいなら…する方がよい)の解説が理解できていれば、この表現は簡単です。
これまでの解説を踏まえて説明しますので、分からなければ戻って読み返してください。
実はこの表現は、省略された表現なのです。
「may(might) as well V (as not V)」(VしないくらいならVした方がましだ)が本来の形なんですね。
ここから「as not V(Vしないくらいなら)」が省略されるので、may(might) as well V」(Vした方がましだ)となる。
そして、比較対象がなければ「ましだ」という表現は日本語的におかしいので、「Vするほうが良い」という表現になるのです。
例を示した方が分かりやすいですね。
You may as well read a book as not do.(本を読まないくらいなら読んだほうがまし)
→You may as well read a book.(本を読んだほうがまし→本を読んだほうが良い)