予習問題を解いたあとに、この記事を読むことで、英文法概念に対する理解が深まります。その後、お手持ちの英文法問題集で、知識を固めましょう。
ここでのポイント
これまでは受動態の基本概念について説明してきましたが、ここでは受験生が間違えやすい(意外と知らない)問題について解説しています。
- 感動Vは他動詞である→受動態でも能動的な訳になる。
- 句動詞は一つの固まりとして捉え、そのまま受動態にする。
- 形式主語について理解する。
以上が、ここでのポイントです。
これらの問題は知っているだけで点数につながる(逆に知らなければ解けない)ので、確認しておいてください。
テーマ32:感動の動詞は他動詞→主語の感動は受動態で表す。
①surprised ②was surprised ③had surprised ④surprise
①を選んでしまった人がいると思います。
ここで覚えておいてほしいことは、感動を表す動詞は全て他動詞であるということです。
①を選んでしまうと目的語がないので、文として成立しません。
頭に「?」が浮かんだ人は、以下の記事に目を通してください。
»自動詞と他動詞の違い、大学受験で重要なポイントは2つだけ
感動を表す動詞は他動詞なので、主語の感動を表す際には必ず受動態で表します。
I was surprised.「私は驚かされた→私は驚いた」です。
感動のV
他V「〜させる」
●感動の動詞
be surprised(驚く), be pleased(喜ぶ), be scared(恐れる), be excited(興奮する), be hurt(傷付く), be interested(関心を持つ)など・・・
他動詞なので、受動態で表す。
能動態の場合は目的語を取り、「〜させる」という訳になる。
ex)I surprised her.「私は彼女を驚かせた。」
テーマ33:句動詞(群動詞)の受動態
→That teacher is ( ) by many people.
①looked up ②looked to up ③looked up to ④to look up
「look up to」のように動詞と前置詞がセットで一つの意味を成すような成句表現を受動態にする際には、成句表現を一つの固まりとして考え、そのまま受動態にするようにしてください。
語順がややこしく、受験生が間違えやすいポイントです。
前置詞(問8で言えばto)を忘れてしまう人が多いので特に注意してください。
ex) I caught sight of a lake.(私は湖を見つけた)
→A lake was caught sight of by me. ※ofを忘れないように!
句動詞の受動態
固まりをそのまま持ってくる
テーマ34:It is said that〜「〜だと言われている」
It is said that this exam is easy.
「It is said that〜」は「〜だと言われている」と訳します。
Itを「それ」と訳してしまった方もいるでしょう。
しかし、この場合は「It」を訳しません。
Itはthat説を指しているだけで「It」自体に意味はなく、that説を主語にしてしまうと頭でっかちで読みにくい文になってしまうので、形式的に置かれているだけの主語なのです。
このような主語を形式主語と言います。
そして、that節を真主語と言ったりします。
わかりにくいですね。
以下に「It is said that〜」の成り立ちを書いています。
これを見た方がわかりやすいでしょう。
「It is said that〜」の成り立ち
They(S) say(他V)【 that this exam is easy】(O).
⇩ これを受動態にすると…
【That this exam is easy】is said.
⇩ 頭でっかちで内容が入ってきにくいので、形式主語Itを置く。
It is said 【that this exam is easy.】
- Itは【that this exam is easy.】を指しています。
- Itは形式的に主語になっているので、形式主語と呼びます。
- 本来の主語はthat節なので、これを真主語と呼びます。