予習問題を解いたあとに、この記事を読むことで、英文法概念に対する理解が深まります。その後、お手持ちの英文法問題集で、知識を固めましょう。
ここでのポイント
受動態の基本を理解しよう。
単に「受動態はとは「〜される」という文だ」という認識を持つのではなく、文法的にどのような形を受動態と呼ぶのかを理解することが肝。
具体的なポイントとしては、
- 能動態における動詞の目的語が主語になるということ(=他Vのみ可能、Oが一つ減る)
- 動詞の意味は能動態の時の意味を持つということ
を、押さえておきましょう。
受動態の基本
受動態の文法的要点
1、他Vのみ可能
2、Oが一つ減る
3、Vの意味:能動態の時の意味
●受動態とは
主語が動詞の動作の対象となる場合の動詞の形を「受動態」と言います。
【受動態の例】A ball was bought.「ボールが買われた」
↑bought「買う」の対象はS「a ball」
↕︎
対して、能動態は目的語が動作の対象ですね(動詞の行為者が主語)
【能動態の例】I bought a ball.「私はボールを買った」
↑「買う」の対象はO「a ball」、行為者は「I」
テーマ26:受動態の基本【受動態は他Vのみ可能で、受動態にするとOが一つ減る】
例文)【能動態】He(S) took(他V) this picture(O) yesterday.(昨日、彼はこの写真を撮った)
→【受動態】This picture(S) was taken(V) by him yesterday.(昨日、この写真は彼に撮られた)
受動態は、動作の対象(動詞の目的語)が主語になった形です。
目的語が主語になるのですから、目的語が一つ減るのは理解できると思います。
そして、自動詞は目的語をとることができないので、受動態の形をとることができない(受動態は他動詞のみ)というのも理解できますね。
»自動詞と他動詞については「自動詞と他動詞の違い | 大学受験で重要なポイントは2つだけ」で解説しています。
テーマ27:受動態の基本【受動態のVの意味は、能動態の時のVの意味】
Mary was denied her parents' help.
「denied」を見て、「拒否する」と訳してしまった方。
受動態のVの意味は能動態の時のVの意味であることを覚えておいてください。
例題の文を能動態に直してみると、
【受動態】Mary was denied her parents’ help.
⇩
【能動態】S denied (V) Mary (O1) her parents’ help (O2).
と、なりますね。
「deny O1 O2」で、「O1にO2を与えない」という意味になります。
能動態の時の意味が「与えない」なので、受動態でも「与えない」という意味になるんですね。
ちなみに、My guilt was denied. はどうでしょう。
これは「私の罪は否定された」になります。
能動態に直すと、
S denied my guilt .(Sは私の罪を否定した)
に、なりますね。
受動態のVの意味は能動態の時のVの意味。覚えておいてください。