形容詞的用法とは
形容詞のように、名詞を修飾する不定詞の働きを、形容詞的用法と言います。
形容詞的用法
直前の名詞を修飾
形容詞的用法の名詞修飾の例
不定詞が名詞を修飾するというイメージがパッと浮かばない人が多いと思います。
ここで不定詞が名詞を修飾する際の例を見て、イメージをつかんでおきましょう。
結論から言うと、不定詞が名詞を修飾している状態(形容詞的用法)とは準動詞の意味上の働きに不定詞の直前の名詞が絡んでいる状態のことを指します。
具体的には不定詞の直前の名詞が、準動詞の意味上の主語または目的語になっている状態ですね。
例えば「something to drink」(飲み物)という表現を聞いたことがあるでしょう。
これは不定詞(to drink)が直前の名詞(something)を修飾している状態なのですが、準動詞の意味上の働きを考えてみてください。
drinkは他動詞でsomethingを目的語としてとっています。
このように、不定詞の直前の名詞が準動詞の意味上の働きに絡んでいる場合を不定詞が名詞を修飾している状態、つまり形容詞的用法と呼びます。
準動詞と直前の名詞の絡み方ですが、2つのパターンしかありません。
直前の名詞が準動詞の主語になっているパターンと、準動詞の目的語になっているパターンです。
文中の不定詞が形容詞的用法なのか副詞的用法なのかで迷った時には、以下のパターンに当てはまっているかを確認してみましょう。
主格関係(直前の名詞が準動詞の意味上の主語)
(S)——-(V)——-(O)
a tool to fix my computer(コンピュータを修理するための道具)
↑「a tool」が「fix」の意味上の主語になっている。
目的格関係(直前の名詞が準動詞の意味上の目的語)
(O)————(V)
something to drink
↑ 「something」が「drink」の意味上の目的語になっている。
形容詞的用法で押さえておくべきポイントと入試頻出知識
テーマ68:不定詞の形容詞的用法、直前の名詞と準動詞の関係に注目。
①discussing ②is discussed ③to be discussed ④to be discussing
discussは他動詞で、必ず目的語をとります。
それを前提に各選択肢を見ていきましょう。
①について。もし①を選ぶとThe question discussing (▶︎目的語がない)(at meeting) is submitted.と、discussの目的語なく、文として成立しないので不可。
②について。The question(S) is discussed(V) (at meeting)(M) is submitted(V)—.とVが二つある状態で、文型を満たさないので不可。
④は時制がおかしいので不可。
よって、答えは形容詞的用法(主格関係)の③となります。
ちなみに、文構造は以下のようになります。
(S)———————(V)
The question to be discussed(S) (at meeting)(M) is submitted(V)—. ←第一文型
↑準動詞(discuss)と直前の名詞(the question)は主格関係
テーマ69:同格の形容詞的用法
例文)I have a desire to live in Tokyo.(東京に住みたいという欲があります。)
形容詞的用法のパターンは2つしかないという説明をしましたが、例外として同格の形容詞的用法というものが存在します。
例文のように直前の名詞と準動詞の関係が「=」になっているもので、「という」と訳します。
ex) desire (=) to live(住みたいという欲)。
目印は、不定詞が「元々動詞だったものが名詞になったもの」を修飾している時です。
例えばdecision to V(Vするという決定)は、同格の形容詞的用法ですが、元々decide to V(Vすると決定する)のように動詞として使われている表現です。
元々動詞だった名詞に不定詞がくっ付いている時には同格の形容詞的用法を疑ってください。
同格の形容詞的用法の目印
元々動詞だったものが名詞になったものについている時
同格の形容詞的用法の例
be able to V → ability to V (Vするという能力)
decide to V → decision to V (Vするという決定)
be willing to V → willingness to V (Vするという意欲)
intend to V → intention to V (Vするという意図)