副詞的用法とは
文中で名詞以外の品詞を修飾し、副詞のような働きをする不定詞の働きを、副詞的用法と言います。
副詞的用法
名詞以外修飾
不定詞の副詞的用法の例
I(S) am(V) sorry(C) (to have kept you waiting so long)(M).(こんなに長い間待たせてすみません。)
「to have kept you——」は形容詞「sorry」を修飾している。→副詞的用法(名詞以外修飾)
副詞的用法の準動詞の意味上の働きについて
準動詞の意味上の主語は一般人か文全体の主語です。
不定詞に慣れるまでは準動詞の意味上の働きを意識して読むようにしてください。
(S) —————–—-(他V)——(O)—-(C)
I am sorry to have kept you waiting so long.
↑「have kept」したのは「I」
「kept(他V)」の目的語は「you」
テーマ70:不定詞の副詞的用法、準動詞の意味上の働きをみる。
①swim ②swimming ③being swim ④swim in
まず、文構造をとって、不定詞の用法を考えてみましょう。
This river(S) is(V) dangerous(C) (to—)ですので、名詞的用法ではない(SOCでないため)し、形容詞的用法も違いますね(直前の名詞修飾だがdangerousは形容詞)。
問題文の不定詞は副詞的用法ということがわかります。
答えは④ですが、なぜ④になるのかは準動詞の意味上の働きに注目してみてください。
swimするのは誰でしょう。
副詞的用法の準動詞の主語は文全体の主語or一般人ですが、文の主語である川は当然swimされる側(川はswimしないよね)なので、この場合の主語は一般人ですね。
「川で泳ぐ」は英語にすると「S swim in river」ですね。
もし①のswimを選んでしまうと、準動詞の意味上の主語を文全体の主語「river」と捉えると「川が泳ぐ」となってしまい意味不明、一般人を意味上の主語と捉えても、「S swim(▲前置詞がない) river」となり、swimは自動詞なので文法的にダメ。
なので、④の「swim in」を選びます。「in」の意味上の目的語は「river」です。
(O)——————————(V)
This river is dangerous to swim in.
また、この場合、「この川は泳ぐには危険だ」となりますが、副詞的用法の果たす意味や訳は種類が多く、それらをそれぞれ覚えることが重要になります。
テーマ71では副詞的用法の意味、訳し方についてまとめているので、何度も見て覚えるようにしてください。
テーマ71:不定詞の副詞的用法の役割
Ⅰ 役割:目的を表す 訳「Vするために」
I woke up early (to prepare for the class)(M).(私は授業の準備をするために早起きをした)
意味上の働き | (S) | (V) | (M) | |
I | woke up early | to prepare | for the class | |
=「in order to V」(Vするために)
=「so as to V」(Vするために)
Ⅱ 役割:結果を表す 訳「〜し、そしてVした」
He grew up (to be a good doctor)(M).(彼は成長し、そして良い医者になった。)
意味上の働き | (S) | (V) | (C) | |
He | grew up | to be | a good doctor. | |
意志的に行うことができない動詞と共に副詞的用法の不定詞が使われていれば、この用法を疑おう。
結果を表す不定詞の目印
grow up(成長する)、live(生きる)、awake(目覚める)、wake up(起きる)など意志的に行うことができない動詞
Ⅲ 役割:感情の原因 訳「〜して」
I am very excited (to meet you).(君に会えてワクワクする)
意味上の働き | (S) | (V) | (O) | ||
I | am | very excited | to meet | you | |
副詞的用法の不定詞の直前に感情を表す形容詞や動詞が使われていれば、この用法を疑おう。
Ⅳ 役割:判断の根拠を表す 訳「〜だなんて」
How kind you are to bring some dessert for me!(私にデザートを持ってきてくれるだなんて、君は何て親切なんだ。)
Ⅴ 役割:条件を表す 訳「〜すれば」
(To hear her talk), you would take her for an Japanese.(彼女が話すのを聞いたら、あなたは彼女を日本人だと思うだろう。)
意味上の働き | (V) | (O) | (C) | (S) | |
To hear | her | talk, | you | would take her for an Japanese. | |
助動詞の単元で「If以外の仮定表現」を説明しましたが、そのうちの一つに「副詞(句)」がありましたね。この用法はそれに当たります。
目印は助動詞の過去形ですね。
Ⅵ 役割:形容詞の限定 訳「〜するには」
This river is dangerous to swim in.(この川は泳ぐには危険だ)
意味上の働き | (O) | (V) | |
This river | is dangerous | to swim in. | |
「dangerous」(危険)という形容詞を「泳ぐには」という具合で限定していますね。
このように形容詞を「〜するには」という訳で限定する用法があります。
目印は直前に形容詞があることと、文の主語が準動詞の目的語になっていることです。
ⅶ 役割:独立して文全体を修飾 =独立不定詞
(To be sure), he is telling the truth.(確かに、彼は真実を言っています。)
文全体を修飾する不定詞を独立不定詞といいます。
覚えておくべき主要な独立不定詞は「入試に出る独立不定詞まとめ 」でまとめています。