難関大への登竜門

動名詞で学ぶべき事項はこれだけ。動名詞の入試頻出問題の解説と対策

テーマ86:動名詞の意味上の主語の明示

問2)以下の文に「their son」を書き足し、「彼らは彼らの息子が慶應大学の生徒であることを誇りに思っています。」という文章に書き換えなさい。(意味上の主語の明示)
They are proud of being students of Keio University.
答え:They are proud of their son being students of Keio University.
ポイント:動名詞の意味上の主語は動名詞の直前に置く。文中の主語や一般人が主語であるときには、明示の必要がないので省略する→明示がない場合は文中の主語or一般人が動名詞の意味上の主語。

動名詞の意味上の主語は、動名詞の直前に置くことで表します。

意味上の主語の形ですが、原則、ex1)のように代名詞の場合は所有格で表すことを押さえておきましょう。

ex2)のように目的格で表すこともありますが、所有格で表すということで統一しておいて問題ないです。

また、ex3)のように、名詞の場合はそのまま名詞を動名詞の直前に置きます。

ex4)のように所有格にしても問題ありません。

ex1)his succeeding(彼が成功すること)
ex2)him talking(彼が話すこと)
ex3)my father talking(私の父が話すこと)
ex4)my father’s talking(私の父が話すこと)

文中の主語や一般人が主語である場合や、文脈から明らかに主語が推定できる場合には、意味上の主語の明示の必要がないので、省略をします。

つまり、動名詞の直前に意味上の主語の明示が無い場合=文中の主語or一般人が主語ということです。

意味上の働き   (S) (V) (C)
  They are proud of their son being students of Keio University.

動名詞の意味上の主語

直前に所有格 or 単語そのまま


テーマ87:動名詞の否定

問3)They are proud of (  )students of Keio University.(彼らは慶應大学の生徒でないことを誇りに思っています。)
①being not ②not being ③don’t being ④being
答え:②
ポイント:動名詞の否定は「直前にnot」を置く。

動名詞を否定する際には、動名詞の直前にnotを置きます。

notを置く位置を押さえましょう。

They are proud of not being students of Keio University.


動名詞の否定

直前にnot


テーマ88:動名詞の時制のズレ

問4)They are proud of (  )students of Keio University.(彼らは慶應大学の生徒だったことを誇りに思っている。)
①being ②have being ③having be ④having been
答え:④
ポイント:動名詞の時制が、述語動詞の時制とズレている場合は「having + Vpp」で表す。

ポイントの通りです。問題文では「慶應の学生だったこと」が「思っている」よりも前のことなので、「having + Vpp」で表します。④が答えです。


動名詞の時制のズレ

having + Vp.p.


テーマ89:動名詞の受動態

例文)I like being praised by many people.(私は多くの人から褒められるのが好きだ。)

ポイント:受動態は「being + Vpp」で表す。

受動態の形は「be + Vpp」です。

それをそのまま動名詞にすると「being + Vpp」ですね。

»受動態の形についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

名詞が名詞を修飾

a book store「本屋」のように、名詞が名詞を修飾することがあります。

動名詞でも同じことが可能で、例えばa waiting room「待合室」などがあります。

ここで、注意すべきポイントがあります。

それは、形容詞の働きをする分詞が名詞を修飾する場合との違いです。

下記(ex1)と(ex2)は分詞の名詞修飾の例と、動名詞の名詞修飾の例を表したものです。

分詞が名詞を修飾する場合には、ex1)のように修飾されている名詞が分詞の意味上の主語になりますね。

これに対して、動名詞が名詞を修飾する場合には、修飾されている名詞と動名詞との間に意味上の関係がありません

(ex2)の「a waiting room」の場合にも、waitingの意味上の主語は「room」ではありません。「room」が「wait」するわけではないですね。

この点を押さえておいてください。

また、名詞が名詞を修飾する場合は「単数」であることが原則です。

したがって目印は「a」や「an」ということになりますね。

そこまで意識する必要はありませんが、「名詞が名詞を修飾することがあるということ」「分詞との違いは、意味上の主語にあること」を覚えておいてください。

ex1)分詞が名詞を修飾
(V)——(S)
running dog. ←「running」の意味上の主語は「dog」

ex2)動名詞が名詞を修飾
a waiting room ←「waiting」の意味上の主語は「room」ではない。
a book store