仮定法と言えばその条件部分(仮定の部分)に「If」を使うというイメージがあると思います。
確かに仮定法ではIfを使う表現が一般的です。
しかし、実はIfを使わずに仮定表現をすることが可能で、そのような仮定表現が出現することは珍しくはありません。
正確な読解をするためには、それらの仮定表現を押さえておく必要があります。
仮定表現のパターンを知っていなければ、そもそもその表現が仮定表現であるかすら分からず、正確な読解が難しくなります。
そこで、ここでは、Ifを使わない仮定表現の種類と、それらの表現が出現した際に仮定法か否かを見分けるポイントについて解説します。
文中に助動詞の過去形があれば…
文中に助動詞の過去形があれば、仮定法を疑いましょう。
助動詞の過去形が見つければ、必ず条件部分「〜なら」を探す癖をつけてください。
If以外の条件部分は様々ありますが、ここでは特に注意すべき仮定表現について紹介します。
その他のパターンについては問題集などを解くうちに押さえていければ大丈夫です。
大切なことは、
- If以外の仮定表現があるという認識を持って、仮定法のパターンをある程度押さえておくこと
- 助動詞の過去形を見つけた際(仮定法の可能性がある文を見た際)に条件部分を探すという癖をつけておくこと
です。
仮定法の見分け方
文中に助動詞の過去形があれば仮定法の可能性が高い
押さえておくべき仮定表現の条件部分のまとめ
① If
ex)If I were a bird, I could fly.(もし私が鳥なら、空を飛べるのに)
Ifの仮定表現はもうお馴染みですね。
② 副詞(句)
ex)With a little more care, he wouldn’t have failed.(もう少し注意していたら、彼は失敗しなかっただろうに)
副詞句に仮定表現(条件部分)が含まれていることがあります。このような表現があることを押さえておこう。
③ 主語
ex)A good teacher would have been kind to the students.
(もし有能な先生だったら、もっと生徒に親切だっただろう)
主語に仮定表現(条件部分)が含まれていることがあります。
例文の場合は、実際は有能な先生でもなく、生徒に親切ではないという点に注意。
④ 不定詞
ex)To see her smile, you would be happy.(彼女の笑顔を見れば、あなたは幸せな気持ちになるだろうに)
不定詞を使って仮定表現をすることもできます。
この場合においても実際には、youは彼女の笑顔を見ていない(仮定)点に注意。
いずれの場合も、文中に助動詞の過去形が含まれていることに注意。繰り返しになりますが、これらの表現を常に意識しておくというよりは、このような仮定表現がある(If以外でも条件を示せる)ということを押さえておき、文中に助動詞の過去形があった場合に、条件部分を探すという癖付けをしておくようにしましょう。
(英文読解)文中に助動詞の過去形
手順1⇒仮定法を疑う
手順2⇒条件部分を探す
注意すべき仮定法の条件部分
① If ② 副詞(句) ③ 主語 ④ 不定詞
テーマ63:If節以外の仮定法の条件部分
①on the contrary ②otherwise ③though ④but
「otherwise」は「さもなくば」という意味で、全文の内容に対して仮定表現をすることができます。
このように、すでに講義した主語、副詞(句)、不定詞などの他にも「otherwise」や「or」など、仮定表現に使える文法があります。
ただ、必要以上に構える必要はなく、助動詞の過去形に注意することと条件部分を探すということを意識するようにし、あとは問題集に触れるうちにパターンのレパートリーを増やしていくという取り組み方で大丈夫です。